カノンの系譜

さまざまなアレンジ曲があるパッヘルベルのカノンですが、アレンジの系統と邦題の関係を、下図のように系譜にまとめてみました。テキストブラウザ等で表示できない方、どうもすみません。

(系譜の図)

ビッグ・バンとも言える1968年には、春にアフロダイツ・チャイルドの「雨と涙」(原題「Rain and Tears」)が、秋にポップ・トップスの「涙のカノン」(原題「Oh Lord, Why Lord」)が発表され、いずれも日本を含め世界的なヒットとなりました。ポップ・トップスはアフロダイツ・チャイルドの作品に刺激を受けたかもしれませんが、実際は全く独自の観点でカノンをアレンジしています。

また、翌年には映画の主題歌に採用されるなど、カノンはポピュラーな曲として認知されるようになりました。もともと一対に作曲されたはずのジーグから独立した、単独の曲として。クラシックでは「バロック小品集」のレコードやCDの定番となり、ポップミュージックでも多くのアレンジがされるようになりました。

日本に輸入された一部のアレンジ曲には「涙のカノン」という邦題がつけられました。しかしその多くはポップ・トップスの「Oh Lord, Why Lord」とは直接の関係の無いものばかりで、ポップ・トップスの曲をアレンジしたものは、Parliamentなどごく少数だけです。邦題で「涙のカノン」となっている多くの曲は、ポップ・トップスのヒットにあやかったものか、クラシックの作品名が「涙のカノン」だと誤解したものであると思われます。これらのアレンジの原題はほとんど「Canon in D」か「Pachelbel Canon」であり、決して「Oh Lord, Why Lord」だったり、ましてや「Tear Canon」だったりとかしません。

2001年8月10日

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